中城(なかぐすく)グスク


中城グスク

「中城グスク」、私の撮った写真が逆光だったため、この画像は中城村のHPからお借りしました



護佐丸のグスクとして知られる壮大な城跡です。中城グスク跡は標高150m〜170mの丘陵地にほぼ一直線に建っています。 築城は、これまで14世紀後半といわれてきましたが、最近、調査で発掘された陶器の形状や石垣を解体したところ、その下からそれ以前に積まれたであろう石積みが発見されたことから14世紀前半あるいは、13世紀後半まで遡ることが分かってきました(中城村教育委員会「中城城の発掘速報」などより)。

最初に城を築いた先中城按司(さちなかぐずくあじ)が、南の郭、西の郭、一の郭、二の郭の主要部分を築き上げ、1440年に読谷の座喜味城から移ってきた護佐丸盛春によって、三の郭、北の郭が増築され現在の形が完成したと思われます。 城壁も南の郭は野面(のずら)積み、一の郭や二の郭は布(ぬの)積み、護佐丸が増築した部分は「相方(あいかた)積み」という技法で積み上げられています。 年代を経て増築されたことが分かります。

城内には神聖な場所とされる「拝所(はいじょ)」が8ヶ所あり、いまでも多くの人が拝みに訪れています。 数々の歴史が刻まれた中城城跡は昭和47年(1972)5月15日沖縄の本土復帰の日に国の史跡に指定され、 平成12年(2000)に「琉球王国のグスク及び関連遺跡群」として登録された世界遺産のひとつ。また、日本の100名城にも選定されており、「旅好きが選ぶ!日本の城ランキング2018」では、沖縄県トップの第6位に選ばれています。 城郭部の面積は、東京ドーム3個分の122,399平方メートルあります。

料金所から真っ直ぐ坂を登っていくと、そこは中城グスクの裏門です。裏門からスタートすることもできますが、正門から裏門に向かって歩きたい人は、無料の電動カートで正門前まで送ってもらえます。歩いても10分くらいです。私は歩いて正門に行きましたので、下の写真は正門⇒カンジャーガマ⇒南の郭⇒一の郭⇒二の郭⇒北の郭⇒ウフガー⇒三の郭⇒裏門の順で並んでいます。



配置図 世界遺産の碑
城郭の配置図
(赤線で囲ったところは護佐丸時代に造営)
世界遺産の石碑
正門 中城グスクの碑
正門 正門前の石碑
防空壕 カンジャーガマ
旧日本軍が防空壕を作ろうとした跡 カンジャーガマ(鍛冶屋跡)
拝所 拝所
南の郭にある雨乞の御嶽 御當蔵火神(うとぅくらひぬかん:首里遥拝所)
狭間 アーチ門
この穴から火矢で敵を攻撃した。城内には何か所かある 一の郭へのアーチ門

一の郭

調査で解体した城壁の石を、このように保管している。積み直しのため、番号が付けられている。



正殿があったと思われる一の郭 刻印石、意味不明
正殿があったと思われる一の郭 首里城とここだけに見られる刻印石(記号がついている石)
一の郭 二の郭への門
一番広い一の郭 二の郭への門

二の郭

二の郭で団体さんに追いついた


大井戸 三の郭
増築した三の郭の大井戸 三の郭
正門 正門脇の碑
三の郭から二の郭の石垣を見上げる ペルーの公式随行画家、ヴィルヘルム・ハイネ作の版画

裏門

中城グスクの裏門



西の海 東の海
二の郭から西の海 二の郭から東の海



城の構造は、Wikipediaによれば、
・一の郭: 城内で最も広い郭。正殿(せいでん)や護佐丸が宴を催した観月台がある。後に間切番所が置かれ、廃藩置県後は中城村役場に使用されていたが沖縄戦で消失した。
・西の郭: 兵馬の訓練をしたといわれる。長さが東西に120mある。
・南の郭: 複数の拝所が集中する古い城郭の一つ。
・二の郭: 布積みの城壁。
・三の郭: 新城(みーぐすく)とも呼ばれ、石積技術の最も進んだ積み方(あいかた積み)によって積まれている。
・北の郭: 護佐丸が井戸を取り込み増築したと見られる(以上、Wikipediaより)。




高原ホテル


上の写真は、中城グスクの南にある巨大な廃墟です。中城グスク跡に隣接しているので、一度でもここに来たことのある方は、この廃墟の存在に気が付いた人もいるでしょう。境界にはロープが張られいるだけですから、中城グスクの一部だと思った人もいるかもしれませんが、こちらは約40年ほど前に沖縄海洋博が開催される際、観光客を見込んで建設する計画だった「中城高原ホテル」です。しかし建設を請け負っていた会社の倒産や本土復帰の諸事情などによって、建設作業が中断されたまま解体もしないで放置され、現在に至っています

この廃墟を訪れたことのある人の体験談では、建物内は落書きだらけで「敷地内にあるプールの排水口に線香と塩をお供えすると、そのプールで溺死した子供の泣き声が聞こえる」とか「首のないスーツを着た男に追いかけられる」といった話がネット情報にあります。また、心霊スポットマニアの皆さんから、この建物は「チャイナタウン」と呼ばれています。名前の由来は、ホテル内を散策していると中国風の音楽が聞こえてくるからという説があるのですが、その音楽も訪れた人のうち一部の霊感が強いと思われる人にしか聞こえないそうです。

他にも、スリルを求めて立ち入った人を襲うべく暗闇に隠れている外国人もいるとか (以上、HP「ie love Okinawa」心霊スポットより) 。

《追記》2019年、解体され、建造物は完全に撤去されました。

◎アクセス
那覇空港から車で
1.高速利用時:那覇IC→北中城IC経由で約30分
2.一般道のみ:国道330号線を利用して約40分
3.最寄の北中城ICから約5分
◎駐車場 無料
◎バリアフリー
車椅子やベビーカーでは見学できません。アップダウンが多く、滑りやすい石段もありますので、歩きやすい靴で。ハイヒールは不向きです。
◎営業時間
8:30〜17:30(6月から9月は18:30)
◎入場料金
大人400円、中高生300円、小学生200円 (以上、平成30年11月現在)



◎このサイトの城(グスク)関連
・首里城 ⇒ こちらから
・中城グスク跡 ⇒ こちらから。
・勝連城跡 ⇒ こちらから
・座喜味城跡 ⇒ こちらから
・安慶名城跡 ⇒ こちらから
・今帰仁城跡 ⇒ こちらから
・糸数城跡 ⇒ こちらから
・玉城城跡 ⇒ こちらから
・具志川城跡 ⇒ こちらから
・仲栄真城跡 ⇒ こちらから

地図をご覧になる方はコチラから ⇒ 中城グスク 駐車料金は無料です。


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