中城御殿(なかぐすくうどぅん)跡


御嶽

敷地内の御嶽(写真の大岩)とその周辺の石積み

中城御殿というのは、琉球王国の世子(せいし:次期国王)の邸宅として、17世紀の尚豊王の時代に現在の首里高校の敷地に建てられましたが、1875年に、現在中城御殿跡といわれる龍潭(りゅうたん:注1)の北側に移転しました。琉球王国崩壊後は、旧王家の別邸として使われましたが、沖縄戦で破壊され、戦後は、一時、引き揚げ者のバラックが建ったこともありました。その後は、首里市役所や首里市営バスの営業所となり、首里市が那覇市と合併したときには首里支所となりました。その支所が当蔵に移転した後には博物館が建てられましたが、その博物館も、平成18年には “おもろまち”に移転しました。

平成29年12月23日、県立埋蔵文化センターの発掘調査現地説明会がありましたので、見学してきました。中城御殿跡の発掘調査は、博物館が “おもろまち”に移転した翌年から実施されており、側溝、石敷き、石敷き、階段、庭園遺構などの遺構が確認されました。平成27年度から29年度にかけての調査では、建物、庭園、御嶽などの配置が徐々に姿を現しており、現在も発掘作業が続いています。

なお、説明会の資料や説明では、「石垣」のことを「石牆(せきしょう)」と表現していましたが、厳密に言うと「石垣」は石を積んだ垣の役割をしているもののことで、「石牆」は、建物などを囲んだ石積みのことを言います。「ここは石牆の南部にあたります」などという、そんな難しい言い方をしなくても「石垣の南の部分です」で意味は通じるのにと思いますが…。専門家が簡単なことを、わざわざ難しくいうのは、昔から変わりませんね。

その中城御殿と龍潭の間にあるコンクリートの歩道の地下から、琉球王国当時のものと思われる水路(注2)も発見されました。造られた年代は明治以前というだけで、はっきりとした年代は、さらにその下を掘らないと確定できないそうです。



庭園跡 石積み
庭園跡 何のための石積みなのかは今後の発掘待ち
未発掘地域 御嶽の石積み
地表には瓦、陶器などの破片が見られる 敷地内の御嶽の石積みを上空から撮影
発見された旧水路 発見された旧水路
歩道の地下から発見された当蔵旧水路


(注1)龍潭(りゅうたん)…1427年、琉球王国の第一尚氏王統・第2代尚巴志王の命により作庭されたといわれる人工の池。魚が多く住み、魚小堀(いゆぐむい)とも呼ばれました。掘った土は龍潭西岸に盛って木々を植え安国山を築造しました。龍潭では、その後冊封使が来琉した折には、池に龍船を浮かべ船遊びの歓待の宴が行われました(Wikipediaより)。

(注2)当蔵旧水路…首里城北側の池「龍潭」沿いにあり、蓮小堀と龍潭を結ぶ水路。詳しくは ⇒ コチラから

この史跡は、これまで石垣とフェンスで囲まれ、中を見ることができませんでしたが、発掘説明会があったので、やっと見ることができました。当日は100人の定員で先着順と言われていましたので、100人以内に入れるように説明会の1時間前に到着したのですが、結局、押しかけた200人くらいが全員入場できたそうなので、そんなにあわてて出かける必要はありませんでした。

《ご参考》沖縄の方の名前に『中』より『仲』がつく人が多いのは、実は、この「中城御殿」が関係しているのです。また、『仲』が付く名前の人は、多くは沖縄県人か沖縄に由来のある方が多いのですが、これには “わけ”があります。

17世紀の後期、第二尚氏・尚益王の世子(せし:次期国王)尚貞が中頭中城間切(なかがみ なかぐすく まぎり)を世襲し、中城(なかぐすく)王子と称することになりました。その際、名前や地名に『中』の文字を使用することは畏れ多いということになり、改称したことがあったのです。現在風に言えば王国の民がソンタクしたのです。実際、琉球では、次の国王になる人は、中城という地域を治めることが慣例になっていましたので、「中城王子」と呼ばれていました。
つまり、『中』という字は高貴な字であるから、王家ゆかりの者以外が使うのは遠慮しなさい」ということになったので、中村⇒仲村、中田⇒仲田、中地⇒仲地または名嘉地などなどと変ったというわけです。ただし、「HP 姓名ネット」によれば、例外はあるようで、「田仲」「仲田」姓は、沖縄にもありますが本土にも多く、「仲谷」「仲川」「仲野」「仲沢」姓は沖縄には、ほとんどいないそうです。




このページは、発掘調査の資料、沖縄歴史博物館のHP、Wikipediaなどを参考に作成しました。
地図をご覧になる方はコチラから ⇒ 当蔵旧水路跡 普段は発掘中なので、中に入ることができません。
このサイトの「中城御殿の井戸」については ⇒ コチラから


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