ハーリー発祥の地


ハーリーの碑

ハーリー(注1)とは、毎年旧暦5月、沖縄県の各地の海で行われる爬竜船(はりゅうせん:注1)競漕のことです。爬竜船を漕ぎ競い合うことで航海の安全や豊漁を祈願します。地域によって「ハーリー」「ハーレー」と呼び名が異なります(注2)

そのハーリー発祥の碑が、豊見城グスクの城址公園の豊見瀬御嶽の一角に建っています。ハーリー発祥の地といわれるのは、この地の城主が中国の南京に留学したとき、龍舟の競争するさまに心を惹かれ、帰国後に那覇港で龍舟を遊覧したことが人々に広まったとも、中国から沖縄に帰化した久米三十六姓が伝えたともいわれているからです。やがて、那覇・泊・久米村のハーリーには漫湖に浮かぶ小島から豊見瀬御嶽を礼拝するようになり、神事として現在のハーリーに継がれています。


ハーリーは、琉球王国の国家的行事として栄えましたが、廃藩置県(1879年)で琉球王国がなくなったことにより、一時、廃止になってしまいました。その後は地域の行事として一時期復活しましたが、1928年を最後に競技は途絶えました。しかし、本土復帰記念事業として1975年の開催された沖縄海洋博を機会に復活し、その後は沖縄を代表する行事となり現在に至っています。那覇ハーリーは観光振興のため、ゴールデンウィークの5月3日~5日に開催されています。

(注1)爬竜船(はりゅうせん)…ハーリーで用いられる船のことで、舳先に竜頭、艫に竜美尾の装飾がつけられているので、爬竜船と呼ばれる。ハーリーは爬竜の中国音である。

(注2)那覇や渡嘉敷島ではハーリーと呼ぶのに対し、糸満ではハーレーと呼んでいます。糸満の中でも、チュジューニン(寄留人)はハーリーと呼んでいましたが、糸満のウミンチュ(漁師)たちは伝統を守ってハーレーと呼び続けてきました。1977年開催の行事委員会で、ウミンチュたちの意見が尊重され、糸満では、呼び方をハーレーと統一するよう全会一致で決まりました。


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