三重城(ミーグスク)


三重城
三重城
戦前の三重城
戦前の三重城(沖縄歴史博物館所有)


三重城は、那覇港の入り口にあります。もともとは、海の海賊だった倭寇からの防御のために造られたといわれています。ただし琉球王国と倭寇とは同盟関係にあったと琉球史の先生の講演で聞きましたので、本当のところは分かりません。造られた当時は海に突き出た長堤の城でしたが、その後、海が埋め立てられてしまいましたので、海に突き出た堤という往時の面影は全くありません。

臨海湖声 沖縄歴史地図
北斎の描いた琉球八景 沖縄歴史地図より、赤色の文字は管理人が加筆


上の写真(左)は、葛飾北斎が「琉球八景」として浮世絵に描いた「臨海湖声(りんかいこせい)」です。北斎は、実際に琉球を訪れてはいませんが、琉球の見聞録「琉球国志略」の絵図を元に描いたといわれております。埋め立てられる前の那覇港の様子です。

三重城は入場料フリーで、誰でも出入りすることができます。特に駐車場などはありませんが、三重城の入り口近くに、ロワジールホテルの駐車場がありました。ちょうどホテルの人がいましたので、見学する時間だけ車を置かせてもらえるようお願いしたら快く承諾していただけました。なお、上の写真(右)の歴史地図の上部に紫色で塗られた部分は、現在は海底トンネルがありますが、その当時は東シナ海しかないはずですので、何が描かれているのかよく分かりません。

1609年(慶長14年)に薩摩藩の軍勢が那覇港からの進攻を試みた際には、港口に鎖を張り、三重城と対岸の屋良座森(やらざむい )の両グスクから石火矢を打ち込んで薩摩の艦艇を撃退しています。

現在でもこの辺りは、那覇港の守りとして多くの人々が祈りを捧げる場所となっています。 また、三重城の隣にあるロワジールホテル那覇には、天然温泉があります。沖縄では数少ない天然温泉です。

なお、読谷村の「体験王国むら咲むら」 近くに、下の写真のような三重城のレプリカがあります。1993年の「琉球の風」 という大河ドラマのオープンセットだそうです。


大河ドラマのオープンセット
恩納村の大河ドラマのオープンセット


「花風」と題した琉球舞踊があります。三重城の対岸にある高台の公園「がじゃんびら公園」には琉球舞踊「花風」をモチーフにした美空ひばりの「花風の港」の歌碑があります。

花 風 の 港(西沢爽作詞、猪俣公章作曲)

赤いさんごの波散る島を 何であなたはすててゆく
出船ほろほろ花風の港 紅の手さじを前歯で噛んで
しのび泣くのも 恋のため

白く尾を引く ひめゆり丸の 船が残した みおの糸
切れずおくれよ 花風の港 切れてしまえば 別れていつか
会える夢さえない二人

誰も恨まず 悲しい胸を 抱いて見送る 青い海
背のびつまだち 花風の港 恋に死ぬのが 女であれば
石になっても 待ちましょう

歌詞から分かるように、この物語は、那覇港から旅立つ愛しい人を、三重城の丘から見送った遊女の切ない思いが表現されています。この歌をお聞きになりたい方は ⇒ コチラから。(You tubeより)

地図をご覧になる方はコチラから ⇒ 三重城     



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