安国寺




安国寺(あんこくじ)は、那覇市寒川町2丁目にある臨済宗妙心寺派の寺院で、由緒ある禅寺のひとつです。第一尚氏の第六代王尚泰久が歴代国王の冥福(めいふく)と国王の健康祈願のために建立したと伝えられています。山号は太平山、開山は熙山周雍禅師(きざんしゅうようぜんじ)。創建年は、1450〜57。 本尊は不動明王です。

荘厳な造りの石門が特徴的です。何となく中国の影響を受けているのかと思うような門構えです。もとは那覇市首里久場川町にありましたが、1674年に現在地に移転しました。沖縄戦で焼失し、戦後、復興して現在に至っています。

一説には、室町時代、日本全国に建てられた安国寺(一国一寺の制)に準じたものという説明が碑に書かれていますが、大和の室町時代は、琉球では三山割拠のグスク時代。安国寺が創建されたのは、三山が第一尚氏によって統一された4〜50年ほど後の頃。そんな時代の琉球が足利尊氏の勧めた一国一寺の影響を受けたなどとは考えにくく、また、時代が100年も食い違っているので、寺の名が同じであったことによる後付け解説ではないでしょうか。

この安国寺の前の通りは、王朝時代には、中山門、中城御殿、大美御殿、御客屋など、王府関連の建造物が立ち並び、綾門大道(アイジョーウフミチ)と呼ばれ王都に相応しい景観を形づくっていました。かつて、この大道では、国王一代に一度限りの「綾門大綱(ウフンナー)」(大綱引)や、毎年元日に行われる「馬勝負(ンマスーブ)」(馬術)などが催されました。残念ながら、綾門大道周辺の旧跡群は、昭和20年の沖縄戦で壊滅的な被害を受け、灰燼に帰しました。

HP那覇市内史跡・旧跡案内、安国寺のHP、案内板などを参考にして作成しました。

なお、首里には「テラマーイ(寺回り)」と呼ばれる十二支巡りの習俗があり、生まれ年の干支によって、守護してくれる仏様が決まっているのだそうです。安国寺もその十二支巡りの寺の一つで、御本尊の不動明王さまは、酉年生まれの方の守り仏です。





地図をご覧になる方はコチラから ⇒ 安国寺 玉陵(たまうどぅん)の西隣、県立首里高校の南門の前にあります。境内には、広い駐車スペースもあります。


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