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名護市役所



名護市役所

名護市役所


名護市役所をご紹介するのに「沖縄スタイル」に掲載された福村俊治氏の「沖縄の気候風土を生かした市民が憩う名建築・名護市CITY HALL)から一部を引用します。

『(中略)---沖縄本島北部名護市の市庁舎である。本土とは気候風土も異なる沖縄の地で「沖縄の建物はどうあるべきか」そして「新しい市庁舎のあり方」に一石を投じた建築の話題作。庁舎の設計者を選ぶ設計公開コンペ(競争)が採用され、全国から300を数える応募案があった。その名から「象設計集団(東京)」の案が選ばれ、沖縄県の小さな市である名護の存在が全国的に知れ渡ることになった。現在も多くの観光客が訪れる有名な観光名所になっている。』

冒頭のタイトルに名護市CITY HALLとなっています。日本では市役所は、行政の事務的仕事をするための建物なのでCITY OFFICEといいます。しかし、ヨーロッパでは市民が集う大切な建物という意味でCITY HALLと呼ぶのだそうです。名護市役所は、CITY HALLというのにふさわしい建物です。

名護市役所は、強い日射をさえぎりながら、海からの風を受け入れます。沖縄で多用されているブロックを積んだ柱、花ブロック(注1)の日除け。この特異な正面の設計は、沖縄の風土と技術を研究し尽くした末に、生み出されたデザインでした。白いブロックと桃色のブロックが交互に積まれる、市庁舎としては極めて特異な形状です。テラスは風の通り道となり、ルーバーが暑い日ざしを遮り、また緑も植えるなど、対話の場所としてだけでなく、省エネルギーや緑化機能も有しています。

完成したのは、1981年。全国から応募のあった308件から 最終的にTeam Zooが選ばれました。Team Zooとは、建築家で早大教授の吉阪隆正氏(1917?1980)の教え子・弟子を中心に結成された集団です。

じつは、この建物の壁にはつい数年前まで56個のシーサーが飾られていました。私が行ったときはありました。ところが、2019年3月すべてのシーサーが撤去されました。台風や塩害のため落下する事故が相次ぎ、ついに、すべて撤去することになったそうです。比較的状態のいい10体のシーサーは博物館倉庫に保管されているそうですが、再び取り付けられる予定はないそうです(上の下の写真のような出っ張りの上のシーサーは、現在は見ることができない。)。

そして、市民の憩いの場となるよう願いが込められたのは「アサギテラス」です。アサギとは神様が降りてくる場として沖縄の集落につくられるもので、壁はなく柱で支えらえた屋根が架けられたものです。軒が深く、風を取り入れ強い日差しから守る沖縄の建築様式の原点とも言うことができ、人々が集まる広場となるように、という願いからアサギテラスは採り入れられたとのことです。下の写真がアサギテラス。

福村修二氏の文章は「沖縄スタイル」から。写真は名護市役所のHPとMEMO TANKさんからお借りしました。

名護市役所

(注1)花ブロック⇒コチラから

名護市役所と言えば、平成29(2017)年、名護市では、「アグーの里」宣言とともに、市役所の敷地内に設置したアグー(豚)像に対し、「国道側から睾丸が丸見えで不快」というクレームが女性市議から出されて、議会で紛糾した。市議は向きの変更や睾丸部分の除去を求めたが、市側は「苦情は来てない、変えられない」と徹底抗戦した。この市会議員.vs市役所の対決が、どう決着したかは ⇒ コチラから

Google地図をご覧になる方はコチラから ⇒ 名護市役所 許田ICから国道58号線を北進したときは、港1丁目の信号で右折する。すぐ特徴ある建物が右手に見えてきます。 駐車場に入るのにゲートはありません。


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