渡口(とぐち)のテラ(北中城村)






渡口のテラは、昔から子宝に恵まれない婦人が子が授かるように祈る場所とされてきました。拝所内には50〜80cmほどの砂岩が4個といくつか小石があり、その中の一つが、クヮンマガハンジュウヌカミ(子孫繁栄の神)とかビジュル、ボージャーブトゥチ(赤子の仏)などと呼ばれています。

この建物は、タテヨコ3.4メートル四方で、高さは1.35メートルあります。前面入口部分の天井は、一枚の琉球石灰岩で、他の天井材は、第三紀砂岩だそうです。

「テラ」とは、神の鎮座する拝所という意味で、1713年の琉球王府編さん『琉球国由来記』に和仁屋間(わなま)神社として登場し、「往昔、渡口村、高時卜申者、霊石ヲ権現卜崇、宮建立仕タル由、伝アリ」とあり、権現信仰の起源知る上で貴重なもので、沖縄県の有形民俗文化財に指定されています。別名、「和仁屋間のテラ」、「浜崎のテラ」とも呼ばれています。渡口に伝わる伝説では、泊大屋子(とまりうふやく)が海にいると波に黒い石が浮いていました。よく見ると妊婦の様な不思議な形をしていました。この石を渡口の浜に引き揚げて祀り、浜崎の寺としたところ渡口村は栄えたということです。今でも、子宝祈願や子孫繁栄として各地からも参拝者が多いということです。

また、渡口では旧暦9月9日にクングヮチャーとして拝されており、隣の熱田(あった)集落では旧暦6月25日にウハチ(御初穂)に拝されています。なお、和仁屋間の名称は「わにやま」とフリガナがありますが、地元の方々は「わなま」と呼んでいるそうです(以上、HP「琉球観光企画」、「北中城村観光ポータル」などより)。

海に浮かぶ石というと、2021年秋に沖縄の各地の海岸に打ち寄せた軽石を思い浮かべてしまいます。水に浮かぶのは軽石だけでなく、海泡石(かいほうせき)、抗火石(こーかせき)、水孔石などがあるようです。

地図をご覧になる方はコチラから ⇒ 渡口のテラ 国道360号線の渡口(とぐち)の交差点(東北の角は「すき家」、南東の角に「ひが家具」の看板)を北に150メートルほど進んだ最初の歩行者用信号(右角に民家のような建物・中村園=白地に緑色の文字の小さな看板がある)を右折する。道路に右折レーンはないので、ウインカーを早めに出して後続車に右折することを意思表示する。右折した道路は狭く、すぐ未舗装になる。50〜60メートルほど進むと右手に石造りの建物が見える。


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