大謝名前の泉(おおじゃなめー ぬ かー)


特徴ある形をしている「大謝名前の泉」


大謝名前の泉(めーぬかー)の前に広がる低地は、港田原(なとぅだばる)と呼ばれ、かつては入り江になっていて、大和や中国から来た貿易船がよく出入りしていたと伝えられているそうです。

このカーは、宜野湾市立大謝名小学校の裏門側にあり、地下水が流れ出る洞穴に樋をかけて湧き水を導く形式の湧泉です。湧泉の正面は、大きな石柱で区画された三本の樋の架かる水口を残して、洞穴の開口部全体を、布積みの切り石で頑丈にふさいでいます。樋の下には、ほかの湧泉にふつうにみられる貯水槽はなく、階段の敷石になっているのが特徴です。

現地の案内板には、次のとおり記されています。

宜野湾市指定史跡
大謝名メーヌカー
平成三年八月一日指定
大謝名メーヌカーは、地下水が流れる洞穴の前面をふさぎ、そこに樋をかけ湧き水を導く、いわゆる「ヒージャーガー」である。
正面にある3つの樋口は大きな石柱で区画し、残る洞穴の開口部全体は布積みとあいかた積みの切石で頑丈にふさぎ、樋口の上部に小室を設け、水の神の香炉を安置している。樋の下には、他の「ヒージャーガー」によくある貯水槽ではなく、階段状の敷石となっている。周囲の土留め壁は3段に積まれ、その石垣の一部は切り石が使用されているが、ほとんどは自然石の野面積みである。
メーヌカーに降りる石畳の坂は「カービラ」と呼ばれ、幅が約2m長さは24mある25段の石段である。
大謝名区では上水道が完備される以前は、生活用水はもちろん、正月の「若水」や子供が生まれたときに使用する「産水」など、すべてこのメーヌカーの水を利用していたのである。
現在でも区民はメーヌカーの恩恵にこたえて、正月、2月、8月の節々には「カーウガミ」を行っている。区にとっては部落発祥と大きくかかわる重要な湧泉である。
また、近くには鍛冶跡といわれる「カンジャーガマ」や、その昔、牧港に出入りした日本船や中国船が水を求めたといわれる「ヤマトゥガー」などもあり、メーヌカー一帯は大謝名区の歴史を考える上で重要な場所である。
平成四年三月
宜野湾市教育委員会


なお、沖縄では湧き水のことを「カー」と言います。漢字で書くと「川」ですが、川ではなく湧き水です。〜ガーと濁って発音することもあります。「川」のことは「カーラ」といいます。湧水を引いてきて水を蓄えるところは「ヒージャー(樋川)」といいます。このカーは、形状から見ると「樋川」ですが、「泉」と書いてカーと読ませています。


この石段を降ります 「大謝前の泉」の3つの樋口


地図をご覧になる方はコチラから ⇒ 大謝名前の泉  

現地の案内図は、



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