中乃湯(沖縄市)


沖縄市に「中乃湯」という名の銭湯があります。現存する沖縄県唯一の「街のお風呂屋さん」です。



中乃湯


その昔、沖縄県には350軒くらいの銭湯があったそうです。しかし、HP「ゆ〜ふるやに行こう」によると、2005年に、那覇市に4軒、沖縄市に2軒、うるま市に3軒、糸満市に2軒、西原町、中城村に各1軒の計13軒となり、それが2009年には3軒となってしまいました。そして、2014年には那覇市にあった銭湯が廃業し、現在は、沖縄市に残る「中乃湯」一軒だけになってしまったのです。このページは、沖縄県に唯一残った ゆーふるや「中乃湯」をご紹介しましょう。なお、「ゆ〜ふるや」とは漢字で書くと「湯風呂屋」、つまり風呂屋さんのことです。



中乃湯


「中乃湯」は、中に入ると、すぐ浴場が見えます。一番奥に写真のような小判型でタイル張りの湯舟が一つだけあります。女湯は見ていませんが、おそらく同じ造りでしょう。つまり、脱衣場と浴場の間に壁も衝立もありません。今となっては、ほかの銭湯と比べることができないのですが、仕切りがないというのが沖縄の銭湯の特徴だそうです。

「中乃湯」に行く前にネットで検索したら、入り口に、ひらがなで「わ」と書かれた木の札が掛かっているとありましたが、私が行ったときには時間が早すぎたせいか、掛かっていませんでした。意味は湯が「わ」いている(湧いている)、つまり営業中というサインだそうです。実は、この「中乃湯」は、ただの銭湯ではなく、立派な温泉です。効能はWikipediaによると、弱アルカリ性のナトリウム−炭酸水素塩・塩化物泉。地下300メートルからポンプで汲み上げており、湯舟に張られた湯は緑色をしています。このお風呂屋さんの女性経営者に、これは温泉の色ですか?と聞いたら「バスクリンが入ってるサー」と言われました。本当にバスクリンかもしれませんが、沖縄の人は、入浴剤のことは、ほかの違う種類の入浴剤でも、皆さん「バスクリン」と言われます。フェルトペンのことを、どこのメーカーのものでも「マジックインク」というのと同じです。

料金は大人(12歳以上の方) 370円、中人(6歳以上12歳未満の方) 170円、小人(6歳未満の方) 100円と表示されています。営業時間は14:00頃〜20:00、定休日は木曜と日曜。(以上は、2020年5月現在)。石鹸とタオルは無料で貸してくれますので、観光の方も手ブラでOKです。

なお、お手洗いはありますが、たいへんレトロな造りですので、あらかじめ別のところで済ませておかれますように。

地図をご覧になる方はコチラから ⇒ 中乃湯  沖縄市安慶田(あげだ)交差点(信号アリ)を南に進み、1本目を左折する。駐車スペースは2台。建物の裏に広い駐車場があるが、こちらは契約者以外駐車禁止と書いた看板があった。


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