伊祖のメーヌカー・クシヌカー


浦添市伊祖(いそ)は、古い歴史のある集落です。伊祖は、島言葉でイーズ、イージュともいいます。浦添市の中央部にあり、伊祖城跡の南西に位置します。大和の歴史では江戸時代にあたる1621年、浦添王子朝良知行目録に「江曾」、「おもろそうし」には「ゑそ」、「琉球国高究帖」には「ゑそ村」、18世紀の「琉球国由来記」には「伊祖村」と表示されています。今回は伊祖の史跡、「メーヌカー」と「クシヌカー」をご紹介しましょう。

◎メーヌカー(前之井)
浦添総合病院のすぐ西にある井泉です。かつては飲み水に利用され、お正月の若水や子どもが生まれたときの産水もここで汲まれたそうです。昭和40年代初頭あたりまで、利用されていたそうです。ここは村の拝所でもあり、水溜の奥には香炉が置かれています。うらおそい歴史ガイド友の会によると、今も自治会の皆さんが、清明(シーミー)などの節季に、年8回カーウガミ(井泉拝み)をしているそうです。

1731年に書かれた「琉球国旧記」には、伊祖の井戸として前之井と記載されています。近くには、クシヌカー、上ヌカー、伊波ガーや個人の井戸など、今も多くの井戸が残っており、水の豊かな地域だったことがわかります。中でも、このメーヌカーか一番大きく、水量も豊富だったため、いざというときの防火用水としても大事にされていました。形は大きな半円形になっており、相方積みや布積みも見られる美しい石積みです。残念ながら現在は、水が汚染され飲用の井泉としては使用されておりません。私が行ったときは、オタマジャクシがたくさん泳いでいました(2枚目の写真に浮かんでいるのは、すべてオタマジャクシです)。

行かれる方は、国道330号線沿いの浦添総合病院を目指してください。目の前が病院の有料駐車場ですが、一般の人も止めることはできます。ただし、他の遺跡も回られるのでしたら、伊祖公園の駐車場(無料)に車を止め、伊祖城跡や英祖王の拝所、神アシャギなどもご覧ください。

メーヌカーは、沖縄県浦添市伊祖4丁目13-1 ナビで表示される場所のすぐ北にあります。



 
 


◎クシヌカー(後之井)
クシヌカーは、伊祖城跡の南斜面に湧く井戸で、村ガーであり、村拝みの対象だったそうです。

伊祖部落の北東に接し、伊祖城跡の南側のゆるやかな斜面に位置する村井で、現在も参拝が見られます。自然の岩を利用した掘り抜き井戸に近い形式のようです。水は今も畑の散水に使用されています。



 
 

◎メーヌカーとクシヌカーの場所は、IJです。




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