英祖王の拝所


 

英祖王の拝所は、浦添市伊祖(いそ)にあります。伊祖は、島言葉でイーズ、イージュともいいます。市の中央部にあり、伊祖城跡の南西に位置します。古い歴史のある集落で、大和の歴史では江戸時代にあたる1621年、浦添王子朝良知行目録に「江曾」、「おもろそうし」には「ゑそ」、「琉球国高究帖」には「ゑそ村」、18世紀の「琉球国由来記」には「伊祖村」と表示されています。今回は伊祖の史跡、「英祖王の拝所」をご紹介しましょう。

以前から、県道251号線に面して建つこの家の前を通るたびに気になっていました。大きく「英祖王拝所、一般の方でも御自由に参拝出来ます 安里門中」と書かれ、左側の柱には「安里門中(注1)」、右側の柱には「西原家(注2)」と表札が出ています。英祖王と安里家と西原門中の関係が全く分からなかったのです。今回、写真を撮ってきました。なお、門中とは、同じ先祖を持つ父方の血縁集団のことをいいます。

西原屋(にしばるやー)は、浦添・伊祖集落の草分けの家「根屋(にーやー)」であり、「英祖王(1229年?〜1299年?)」の子孫だと伝わっています。そして、この拝所は、その流れを汲む安里さん一族が管理しておられるようです。「根屋」とは、村の創始者の家のことをいい、祭祀を中心に行う所のことです。

下の写真の中央の神棚には五つの位牌があり、「恵祖世主」、「英祖王」、「世大主(ゆーうふすー)」、「御先祝女(うさちのろ)」、「御王女」が祀られています。恵祖世主は、英祖王の父です。御先祝女は、昔、むかしの祝女という意味だと思いますが、誰を指すのかは分かりません。王女は字のとおり読めば長女なのでしょうが、英祖王の長女は1歳で夭逝しているので、事実上の長女である次女なのか、それとも王妃のことなのか分かりません。

なお、建物の前には、まだ使われているポンプ式の井戸があります。石碑には、太陽井戸(ティダヌカー)と書いてあります。「井戸水なので飲めません」の表示もあります。

(注1)安里門中は、英祖王の拝所を管理しておられる一族です。英祖と繋がりのあるといわれています。門中を詳しくお知りになりたい方は ⇒ コチラから

(注2)西原家というのは、浦添・伊祖集落の「根屋」と言われ、英祖王の子孫だといわれています。うらおそい歴史ガイドの方の話では、安里門中の本家が西原家だそうです。



 
 

◎「英祖王の拝所」の場所は、Eです。




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