伊祖の神アシャギ・地頭火ヌ神・柴木ガー跡


浦添市伊祖(いそ)にある神アシャギ・地頭火ヌ神(じとうひぬかん)・柴木(しばき)ガー跡です。伊祖は、島言葉でイーズ、イージュともいいます。市の中央部にあり、伊祖城跡の南西に位置します。古い歴史のある集落で、大和の歴史では江戸時代にあたる1621年、浦添王子朝良知行目録に「江曾」、「おもろそうし」には「ゑそ」、「琉球国高究帖」には「ゑそ村」、18世紀の「琉球国由来記」には「伊祖村」と表示されています。今回は伊祖の史跡、「神アシャギ」「地頭火ヌ神」「柴木ガー跡」をご紹介しましょう。

◎神アシャギ

神アシャギ


「神アシャギ」とは、神を招き祭事を行なう場所のことをいいます。大きな御嶽では、「神アシャギ」と呼ばれる前庭のような空間が設けられていることがあります。これは信仰上、御嶽の神を歓待して歌ったり踊ったりするための空間でした。もともとは建物の有無とは関係ないものでしたが、そこに建てられた祭祀用の建物も「神アシャギ」と呼ばれるようになりました。

建物は、以前は四方とも壁のない四柱造りの竹茅葺きでしたが、近年ではほとんどがコンクリート建てとなっています。沖縄本島の国頭地方では、屋根や軒が低くなっていて中へ入るには腰をかがめなければならないものもありました。「神アシャギ」は主に沖縄本島北部や周辺離島での呼称で、本島中・南部では、「神アシャギ」に類似した形状で「トゥン(殿)」という地域もあります。

琉球王国時代、裕福な民家では、王府からの来賓などを「アシャギ」と呼ぶ離れで迎えたことから、神アシャギは神へアシー(飲食物)を差し上げ歓待する場という意味ではないか とか、「神あしあげ」が語源で、神様が足をあげる場=腰を下ろす場とか考えられています。



◎地頭火ヌ神

神アシャギ 神アシャギ


沖縄の火の神には各家庭で祀る火ヌ神のほかにムラの火ヌ神もあります。この祠は、「地頭火ヌ神」といわれています。地頭は琉球王国時代に間切(まぎり)や村(今の字(あざ))を領地にした士族で、その就任や退任の時に拝んだのが地頭火ヌ神です。火ヌ神は家や集落を守る神なので、自治会の方がムラ拝みしているそうです。



◎柴木ガー

柴木ガー


神アシャギに入る前に身を清めたという「柴木ガー」跡が残っています。ここも大切な井戸として自治会の皆さんが拝みをしています。「柴木」とは、「ヤブニッケイ」(ニッキ・シナモンの種類)のことです。柴木の枝をノロが拝むときに使ったことから、井戸の名前がついたということです。道路の拡張工事で井戸はなくなってしまい、現在あるものはイミテーションとして造られたもので、水は出ていません。

以上、うらおそい散策マップなどを参考にして作成しました。



◎「神アシャギ・地頭火ヌ神」の場所は、Cです。「柴木ガー跡」は、その手前(少し南西)にあります。伊祖城跡など、ほかの史跡もご覧になるなら、伊祖公園の駐車場が便利です。


伊祖散策マップ


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